現場コラム

サイディングの縦張りでの胴縁活用メソッド|施工比較と基礎知識・木造や金属の設計ポイント

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この記事の目次

「サイディングを縦張りしたいけれど、胴縁の配置や材質、施工基準まで自信が持てない…」そんなお悩みはありませんか?実際、胴縁の標準ピッチは木造住宅で【303mm】、鉄骨造では【455mm】が目安とされており、正確な配置によって通気性や耐久性が大きく向上します。

強度や耐用年数にも直結する胴縁の材質選びも見落とせません。例えば、金属胴縁は木製に比べて防火・防腐性能が優れており、サビ止め処理済みのものを使うことで損失リスクを低減できます。さらに、国土交通省の外壁通気工法指針では、壁体内の結露抑制や長寿命化の観点からも正しい下地施工が強調されています。

「想定外の雨漏り修理費や補修費が心配…」「本当に自分でできるの?」と不安な方も多いはず。ですが、正しいピッチと材料選定、施工手順を押さえればトラブルや無駄な出費を未然に防ぐことが可能です。

このページでは、最新の施工規準やメーカー別の実践データまで、失敗・後悔しないサイディング縦張りのすべてをプロの視点で詳しく解説します。今の疑問と不安が必ず解消できるヒントを、ぜひ本文で手に入れてください。

サイディングを縦張りする際の胴縁とは|基礎知識と構造の全体像

サイディングの縦張りは、胴縁と呼ばれる下地材の配置によって仕上がりや耐久性が大きく変わります。胴縁は外壁と建物本体の間に設置し、空気層を確保することで通気性や防水性を高める役割を持ちます。縦張りの場合は、水の排出や空気の流れがスムーズになりやすく、湿気による劣化を防ぎやすい点が特徴です。また、胴縁の配置によりメーカー推奨の胴縁ピッチや施工方法も異なるため、精度の高い設計と施工が求められます。特に、木造・鉄骨いずれの構造でも専用の胴縁や金具を使ったしっかりとした下地づくりが不可欠です。

サイディングを縦張りする場合の特徴と胴縁の役割

サイディングを縦張りする最大の特長は、縦方向の継ぎ目が強調され、すっきりとした美観を実現できる点です。胴縁は水平方向に設置し、サイディングの固定点を確保しながら、壁内部の通気層を形成します。これにより、下地素材の乾燥が促進され、結露やカビの発生リスクを軽減します。加えて、防水紙や中間水切りなどの部材との組み合わせで、雨水の侵入や長期的なダメージを防ぐ仕組みも構築できます。建材メーカーによっては、専用のスターター金具や中間水切りの設置を推奨しており、耐久性を重視する場合に重要なポイントとなります。

胴縁の材質・寸法と施工における基本設計基準

胴縁には木材・軽量鉄骨(軽鉄)・樹脂製などが使用され、建物構造や希望する耐久性に合わせて選定します。標準的な木製胴縁の寸法は幅30〜45mm、厚さ15mm程度が多く、耐久性を高めたい場合は防腐処理済の木材や金属タイプの採用が推奨されます。設置時には胴縁ピッチ(間隔)やサイディング本体の固定方法(釘・ビス・金具)の基準が非常に重要です。メーカー毎に指定された寸法や部材を厳守することで、安全性と美しい仕上がりを両立できます。

材質標準厚み標準幅主な特徴
木製15mm30mm加工性とコスト◎
軽量鉄骨15mm45mm変形しにくく耐水性◎
樹脂製15mm30mm防腐・軽量だが割高

下地調整と胴縁の配置パターン図解

胴縁の配置は、建物の下地の状態や壁面の荷重分散に応じて決めます。適切な胴縁固定により、サイディング材のたわみ・浮き・落下リスクを低減できます。さらに、防水紙や透湿防水シートの施工も胴縁設置前に行い、二次的な防水対策を徹底します。下地が不陸の場合は、胴縁の高さ調整やパッキン材を活用し、サイディング表面に段差や歪みが生じないよう心掛けることが重要です。

胴縁ピッチの推奨数値(木造・鉄骨)

胴縁の設置間隔は、サイディングの種類やメーカーごとの基準によって異なりますが、目安は下記となります。

構造推奨胴縁ピッチ
木造303mm〜455mm
鉄骨450mm〜600mm
金属サイディングメーカー指定を厳守

ピッチが広すぎるとサイディングのたわみや浮きにつながるため、メーカー指定以上の間隔は厳禁です。特にニチハ・ケイミューなど大手メーカーの施工マニュアルでは、構造や外壁材の厚みによって細かく規定されていますので、選定時には最新のカタログやマニュアルを必ず確認しましょう。また、鋼製胴縁や専用スターター金具を使用するケースも増えており、設計段階から部材の互換性や耐久性も見逃せません。

縦張りサイディングと横張りサイディングの全方位比較徹底解説

見た目の違いと目地・継ぎ目の仕組み比較

サイディングの縦張りと横張りは、仕上がりの印象や継ぎ目の配置に明確な違いがあります。縦張りは外壁材が上下方向に走るため、シャープで現代的な表情が強調され、縦のラインが建物をすっきりと高く見せます。目地は主に横位置で揃い、継ぎ目が少なくメンテナンスの負担も軽減されます。

一方、横張りは外壁材が横方向に並ぶことで、安定感や伝統的な雰囲気を生み出します。目地や継ぎ目は縦方向に分布し、壁面に模様や陰影を与える特徴があります。

下記に見た目・継ぎ目の違いをまとめます。

比較項目縦張り横張り
パネルの流れ上下方向水平方向
見た目の特徴シャープでモダン落ち着いた印象
目地・継ぎ目横方向でシンプル縦方向で陰影ができやすい
コーキング量少なめやや多め

通気性と耐久性の違いを科学的根拠に基づき解説

サイディングの縦張りは胴縁(横方向の下地材)を使うため、外壁内部で空気が効率よく流れる「通気構法」が実現できます。これにより壁内部の湿気や結露がたまりにくくなり、腐食やカビの発生リスクが大幅に軽減されます。通気層を確保するためには胴縁ピッチは300mm~455mm程度が一般的で、メーカーの施工マニュアルにも準拠しています。

また、縦張りは継ぎ目が上方向に向かうので雨水の浸入リスクが低減しやすい構造です。これによりシーリングや防水紙の劣化を抑え、耐久性も向上します。

横張りサイディングの場合は縦胴縁が下地となるため、通気層の確保はしやすいですが、目地からの浸水やコーキング切れなど、定期的な点検・補修が重要です。耐久性自体に大きな差はありませんが、施工方法や下地処理、防水性の確保が品質維持の鍵となります。

施工時間・費用・工期の比較データ

サイディングの縦張りと横張りは、施工の手順や所要時間、費用に違いがあります。下地となる胴縁の配置やピッチ(間隔)、使用する材料の種類や量などが影響します。

比較項目縦張り横張り
胴縁配置横方向縦方向
胴縁ピッチ約300~455mm約300~455mm
施工時間横張り比でやや短縮可能な場合も標準的
使用するシーリング少なめ(継ぎ目が少ない)多め(目地が増える)
材料コスト同等~やや安価になることも標準的

施工費用は主に人件費と材料コストが占め、継ぎ目・コーキング作業量が少なく済む縦張りはメンテナンスコストも抑えられる傾向にあります。工期短縮や防水性向上、今後のランニングコストも加味して、どちらの張り方を選ぶか検討することが重要です。

胴縁ピッチ・材料選定・下地施工に関する最新施工規準

木造と鉄骨建築における胴縁施工差異の詳細

サイディング縦張り施工時の胴縁は、建物構造によって取り付け方法や仕様が異なります。木造建築では、一般的に縦胴縁ピッチは303mm~455mmが推奨されており、胴縁材には防腐処理済み木材金属胴縁がよく利用されます。鉄骨建築では金属胴縁が主流となり、鉄骨下地図面に基づいて専用ビスでしっかり固定し、耐風圧落下防止を重視します。

胴縁の取り付け間隔が適切でないと、サイディングのたわみや落下リスクが高まるため、設計図面やサイディング施工マニュアルの基準に従い正確に施工することが重要です。

建物種別推奨胴縁ピッチ主な材質固定方法
木造303-455mm木材/金属胴縁釘・専用ビス
鉄骨303-455mm金属胴縁ビス留め

金属胴縁と木胴縁の性能比較および推奨使用シーン

サイディングの胴縁は、金属製木製で性能や施工適性が異なります。金属胴縁は「耐久性が高く、腐食やシロアリ被害に強い」特徴があり、防火地域や鉄骨下地ではほぼ標準選定です。一方、木胴縁は加工や施工がしやすく、ケイミューやニチハなど多くの窯業系サイディングで使用されますが、防腐処理通気層の確保が必須です。

推奨シーンを比較すると、長期耐久性・防火性能重視なら金属胴縁コスト・工事容易性重視なら木胴縁が適しています。

比較項目金属胴縁木胴縁
耐久性非常に高い経年劣化あり
耐火・防虫性優れている加工次第
加工・施工難易やや高い簡単
コストやや高い標準~安価
推奨用途鉄骨・防火地域木造住宅全般

金具留め工法と釘留めの手順および注意点

サイディング縦張りの固定は、金具留め工法釘留め工法に分類されます。金具留めはサイディング本体にキズが付きにくく、下地への固定も安定しますが、指定ピッチや専用金具の使用が必須です。ニチハやケイミューなど各社の施工マニュアルに準拠し、金具やスターター部材も適切に選定します。

釘留め工法の場合、サイディング接合部に専用シーリングを必ず施工し、水の侵入を防ぎます。どちらも下地の水平・垂直出し防水紙の設置が作業精度に直結します。

固定の流れと注意点:

  1. 下地の確認・水平出し
  2. 防水紙施工と通気層確保
  3. 胴縁取付(指定ピッチ遵守)
  4. スターター・水切り部材設置
  5. サイディング本体の金具/釘固定
  6. 接合部のシーリング施工(特に継ぎ目部)
  • 金具や釘のゆるみ防止サイディングの落下防止のため、1枚ごとに取り付け強度を確認しましょう。
  • 金属胴縁には腐食防止のための専用ビスを必ず選定してください。

リストや表を活用し、現場を意識した工程を把握することで、仕上がりと耐久性に大きな差が生まれます。

メーカー別マニュアルに基づく施工手順と注意点

各メーカーの施工マニュアル違いと共通点の整理

サイディングの縦張り工法において、主要メーカーであるニチハやケイミューは独自の施工マニュアルを提供しています。両社共通で胴縁(どうぶち)を横方向(壁に対し水平)に施工し、胴縁のピッチはおおむね303mmまたは455mm以下とされています。

下地胴縁は材質や構造により細かな指示が異なります。ニチハは木造・鉄骨の違いによるピッチ指定や16mm・14mmサイディング製品別の釘・ねじ長さ、ケイミューは専用金具やスターター部材の種類、金属サイディングには金具留め専用施工方法や胴縁間隔の違いがみられます。ただし、防水紙と防水テープの貼り方、下地材の水準、シーリング(コーキング)の適切な使用などは両社共通で強調されているポイントです。

下記に比較表を示します。

メーカー推奨胴縁ピッチ専用部材の有無主な注意点
ニチハ303~455mm(最大455mm)金具・スターター専用部材厚ごとの釘やねじ選定
ケイミュー303~455mm(最大455mm)専用金具・スターター有金属サイディングは専用施工法
共通点水平胴縁推奨、防水徹底下地・シーリング重要継ぎ目はジョイナーでしっかり処理

実例から学ぶ中間水切りやスターター取付の注意

縦張りサイディングでは中間水切り部材スターターの確実な施工が重要となります。中間水切りは上下階の境や外壁の高さが規格を超える際、必ず設置しなくてはなりません。施工マニュアルでは中間水切りとサイディング本体の接合部の防水強化が指示されており、必ず防水紙の重ね順・シーリング材による止水が求められます。

スターター取付は施工の起点となるため、土台水切り上にスターター金具を十分水平に取り付けることが不可欠です。取り付け時には垂直・水平のズレによるパネル割り付けミスを防ぐため、墨出しや水準器の活用が推奨されます。また、パネルの継ぎ目やコーナー部はジョイナーや専用キャップでしっかり納めることで、経年劣化や雨水侵入リスクを低減できます。

主な注意点:

  • 中間水切りは必ず通気層の連続性を確保。
  • スターターズレによるパネル落下や経年の施工不良に注意。
  • ジョイナーの取付部も忘れずシーリング処理。

最新施工技術・鋼製胴縁利用の現場実例

近年では木胴縁だけでなく、耐久性に優れる鋼製胴縁の採用現場が増えています。鋼製胴縁を使うことで防腐・耐水・防蟻性能が向上し、特に鉄骨造や冷暖房効率が問われる現場でメリットが際立ちます。また、サイディングの平滑性確保という観点でも、ボルト固定や金具留め方式が精度の高い施工につながっています。

鋼製胴縁施工例のポイント:

  1. 胴縁ピッチは303mmまたは455mm以下で設計通りに厳守。
  2. サイディングは専用の金具またはねじで確実に固定。
  3. 鋼製の場合、サビ止め処理や専用ビスの使用を厳守。

下地による胴縁の仕様例を表にまとめます。

下地種類推奨胴縁材料固定方法主な特性
木造木胴縁くぎ・ねじ施工が容易・コスト優位
鉄骨鋼製胴縁ボルト・専用ビス防火・耐久・精度が高い
断熱工法鋼製(防露)防露ネジ・金具留め気密性・断熱性が高まる

適切な材料・施工手順を守ることで、長寿命かつ安全な外壁サイディングの仕上がりを実現することができます。

縦張りサイディングにおける欠点・失敗事例と品質確保策

縦張りの特有リスク分析と回避法

縦張りサイディングは外壁デザインの自由度や水はけの良さが魅力ですが、特有のリスクが存在します。まず、雨水の侵入や継ぎ目部分からの漏水リスクが代表例です。縦方向の継ぎ目が長くなるため、施工には中間水切りやシーリングの適切な処理が求められます。サイディング本体や防水紙の納まり不良が雨漏りに直結するため、メーカー指定通りに金具やくぎ、防水紙・ジョイナーを設置することが不可欠です。

強風時のパネル浮き・剥がれにも注意が必要です。特に、胴縁のピッチ(一般的に455mm以下が基準)を守らず間隔が広いと固定力が低下し、外壁材が落ちる原因となります。

下記の表は、縦張り施工で発生しやすい失敗例と対策をまとめたものです。

失敗事例主な原因品質確保策
継ぎ目からの雨水侵入シーリング不良、中間水切り不足メーカー仕様通りにシーリング・部材を使用
パネルの浮きや落下胴縁ピッチ超過、固定不足胴縁間隔を厳守、必要な金具やくぎで固定
下地変形や通気不良胴縁の配置ミス、通気層不足通気層(30mm目安)と正しい胴縁設置

品質を保つためには「下地胴縁ピッチの厳守」「指定材料利用」「継ぎ目・端部の防水処理」を徹底することが大切です。

DIY施工の落とし穴とプロの対応策

縦張りサイディングのDIY施工は、見た目以上に高度な管理が必要です。特に胴縁の間隔、水平垂直精度の確保、釘や金具の使用方法は、経験に基づく正確な判断が欠かせません。不慣れなDIYでは中間水切りの正確な設置やサイディングの割付方法、防水紙との納まりが甘くなりがちです。

また、シーリング不足や養生の手抜きにより雨水の侵入が発生し、長期間で見れば内部腐食や外壁の落下トラブルにつながる危険があります。

登録業者によるプロ施工の場合は、

  • 各社メーカー(ニチハ・ケイミュー等)の施工マニュアル遵守
  • 指定の専用金具・くぎ利用
  • 防水紙、胴縁、中間水切り等資材の適正施工
  • 施工後の自主検査・保証制度活用

が徹底されており、将来的な維持管理まで配慮が行き届きます。DIYの場合は最低でもメーカーカタログや施工動画を十分確認し、下記のようなポイントを意識しましょう。

  • 胴縁(縦胴縁)の間隔は455mm以下で均等に配置
  • パネルの端部・継ぎ目には必ずコーキング材や中間水切りを使用
  • サイディング専用の釘・金具で丁寧に取り付ける
  • 防水紙の重ね幅や部材取合いを厳格に守る

少しでも不安があれば経験豊富なプロへ相談することが、長持ちする外壁への最短ルートです。

メンテナンス計画とサイディングを縦張りする際のランニングコスト

サイディングを縦張りで施工する場合、ランニングコストの把握と計画的なメンテナンスは住まいの寿命を左右します。縦張りは胴縁を横方向に設置し、継ぎ目が少なくなることでシーリング材やコーキング箇所も減少しやすいのが特徴です。そのため、メンテナンス性や将来的な補修費用の観点で注目される傾向があります。ニチハやケイミューなど大手メーカーのサイディング材でも施工マニュアルにコーキング・胴縁ピッチ・中間水切りなどの推奨仕様が明記されており、下地の施工精度が耐久年数に直結します。

下の表は、縦張りサイディングに関連する主なメンテナンス項目と費用目安を一覧化したものです。

メンテナンス項目点検周期概要費用目安(円/㎡)
シーリング補修7〜10年毎コーキングの劣化や継ぎ目の補修700〜1,400
サイディング再塗装10〜15年毎カラー・防水機能維持を目的とする塗り替え2,000〜3,000
下地胴縁点検10年毎胴縁ピッチ・ねじ・釘の緩み、水濡れなど確認目視・一部交換
中間水切り清掃必要に応じて汚れやつまり、通気容量低下の抑止目視・低コスト

劣化現象の観察方法と補修ポイント

縦張りサイディングの長寿命を維持するには、定期的な点検が欠かせません。劣化サインとして真っ先に現れるのは、サイディングの継ぎ目部分やシーリングのヒビ割れ、コーキングの硬化です。また、胴縁や下地部分のピッチずれ、金具や釘の浮きも見逃せません。

実際には以下のポイントを重点的に確認します。

  • シーリング(コーキング)のひび割れや剥離
  • サイディングの反りや割れ
  • サビ、雨だれによる金具等の変色
  • 胴縁部の変形・含水による腐食

発見後は早期修繕が重要です。シーリング補修や部分交換は高所や目地部に集中しやすいので、足場代も考慮しましょう。下地(胴縁)は木材の場合と鉄骨(専用金具)では現場ごとに補修方法が異なります。必要に応じて防水紙やサイディング本体の一部張替も効果的です。

具体的なメンテナンス費用と長期保守計画

縦張りサイディングの維持費用は部材の寿命や施工精度により大きく左右されます。とくに胴縁ピッチが適切でない場合や中間水切りの不備は、補修回数や金額増加につながるため注意が必要です。ニチハ・ケイミュー等の施工マニュアルでは、サイディングの下地や水切り設置、専用釘・金具留めなどを厳格に守ることが推奨されています。

主な費用イメージは以下のとおりです。

  • シーリング打ち換え:10年に一度の補修で約20万円〜(30坪想定)
  • 再塗装工事:15年程度で1回、約60万円〜90万円の目安
  • 下地・胴縁の一部交換:数千円〜数万円(劣化範囲に応じ変動)

長期計画では15年・30年といったサイクルで点検・再塗装・コーキング補修をルーチン化し、外壁の機能維持と美観を両立させることが大切です。特に経年によって下地胴縁や金属パーツの腐食リスクが高まるため、専門業者による定期総点検も推奨されます。

最新技術・素材によるサイディングを縦張りした場合の性能向上策

サイディングの縦張り工法は、近年の建築現場で注目されています。従来の横張りと比べて、縦のラインが強調されるため、外観デザインにモダンさを与えつつ、施工性や防水性能の向上が期待できます。中でも、胴縁の選定やピッチ(間隔)の適正化は、サイディング全体の耐久性や通気性能に直結します。特に金属サイディングや窯業系サイディングにおいては、メーカーごとの推奨仕様にも注目しましょう。縦張りに適した最新の防火・防水技術、撥水コーティング材の実用化により、建物の長寿命化や日常メンテナンス負荷の低減が実現できます。

防火性能対応の胴縁仕様と施工ルール

サイディングの縦張りでは、胴縁(下地)の仕様と配置が重要です。胴縁には耐火性を考慮した素材(耐火性能付き木材、軽量鉄骨)が求められます。さらに、設置ピッチにも注意が必要で、標準は下記の通りです。

建物構造胴縁素材推奨ピッチ特徴
木造木製(耐火薬剤処理)455mm以内断熱性・加工性に優れる
鉄骨軽量鉄骨胴縁303mm~455mm防火性・耐久性が高い

防火規制のある地域では、不燃材や厚みのある防火サイディングの使用も推奨されます。間隔が広すぎるとサイディングが落ちる・揺れる原因となるため、【455mm以内】を厳守しましょう。また、中間水切りも防火区域では金属製を使用し、ジョイナーや水切り金具との組み合わせで防水層を形成します。

縦張りの場合の留意点として、外壁内結露や雨水の浸入を防ぐため、防水紙・防水テープの施工も徹底しましょう。各メーカー(例:ニチハ、ケイミュー)は独自の施工マニュアルを提供しているため、施工前に必ず仕様を確認してください。

撥水・防汚コーティング材の実務適用例

サイディングの耐久と美観維持のため、近年は撥水・防汚コーティング材が多く利用されています。これらのコーティングは雨水や汚れを弾き、経年による劣化を抑制します。特にニチハやケイミューの金属サイディングや窯業系サイディングは、専用コーティングの採用によって、紫外線や水分への耐性が強化されています。

主な採用例は下記の通りです。

  • 光触媒コーティング(セルフクリーニング機能)
  • 撥水加工(雨だれ防止)
  • 防カビ・防苔成分配合コーティング

コーティング材の選定時は対応するサイディング素材や施工方法(くぎ止め、金具留め)を事前に確認しましょう。縦張り施工では継ぎ目やコーキング部分からの浸水リスクがあるため、防水性の高いコーティングを定期的に施すことで、長期間にわたって美しい外壁を維持できます。

各メーカーの最新カタログにもコーティング仕様の詳細が掲載されていますので、リフォームや新築時には必ず適切な商品を選びましょう。

質問に答える形式で理解を深める縦張り胴縁Q&A集

胴縁の標準間隔は?施工時の注意点は?

サイディング縦張りで使用する胴縁は、標準的には303mmまたは455mmごとに設置されることが一般的です。この間隔は鉄骨・木造、各メーカー(ニチハ・ケイミューなど)の施工マニュアルによって規定されています。強度や通気性を確保するためには、下地材のまっすぐな取り付けと、固定がしっかりしているかの確認が重要です。下地が曲がっている場合、サイディングに隙間ができてしまい、雨水侵入や落下の原因になります。施工時は縦胴縁ごとに専用の釘や金具、ねじを使って、均等なピッチで水平・垂直を意識してください。また、防水紙や中間水切りの施工も必須です。

胴縁間隔の目安構造別施工上の注意点
303mm or 455mm木造・鉄骨共通垂直取り付けと留め付けの確実性

縦張りと横張り、どちらがメンテナンスしやすい?

縦張りサイディングは継ぎ目が少なく、雨水の排出がスムーズになるため、メンテナンス頻度が抑えられる傾向があります。特に横方向に入るシーリング箇所が減るぶん、劣化した際の補修範囲も限定的です。一方、横張りの場合は目地やコーキングの本数が多くなる分、シーリングにひび割れや劣化が発生しやすい点がデメリット。縦張りは外観もスタイリッシュで、近年はケイミューやニチハなど多様なデザインが人気となっています。

張り方メンテナンス性主な違い
縦張りシーリング箇所少なめ継ぎ目が少なくコーキング劣化も最小限
横張りシーリング箇所多い定期的なコーキング補修が必要

DIYでの施工上のよくある失敗と対策は?

DIYでサイディングの縦張り胴縁施工をする際は、下地の水平・垂直精度不足が最も多いミスです。胴縁ピッチがズレると、サイディングパネルが波を打ったような仕上がりになり、雨水の侵入やパネル落下のリスクも高まります。また、釘や金具の固定不足も注意ポイントです。正しい施工にはメジャー、レベル、墨出しなどの正確な道具使用を心がけ、サイディング割付方法メーカーの施工マニュアルを必ず事前に確認しましょう。必要に応じて下地補強や専用金具・スターターの利用も検討してください。

よくある失敗例

  • 胴縁の曲がりや浮き
  • コーキング処理の漏れ
  • 中間水切りの設置忘れ
  • パネル端部のシール処理不良

対策として、各工程ごとの確認と、1工程ごとに写真でチェックすることを強くおすすめします。

メーカー別の製品特徴比較、選び方のコツ

サイディング業界の主要メーカーであるニチハケイミューは、それぞれ独自の素材技術や施工性、意匠性に特徴があります。

メーカー特徴注意点・選び方のコツ
ニチハ断熱性・耐久性が高い。16mm厚が主流施工方法・下地寸法に細かな指定があるので施工マニュアル必読
ケイミュー多彩なデザインと防汚・耐候技術専用スターターや金具指定が多い。製品カタログで詳細仕様をチェック
金属系ガルバリウムなど軽量・長寿命製品ごとの胴縁ピッチ・施工部材が異なるので要確認

いずれも最新カタログで施工ピッチや中間水切り・サッシ周り部材の指示を厳守し、現場状況に合った商品選びを意識してください。

施工時のコーキング処理の重要性

サイディング縦張りでは、継ぎ目や接合部のコーキング(シーリング)が防水・耐久性のカギとなります。特に中間水切りやサッシまわり、端部には高品質なシーリング材をしっかり打設し、隙間や段差なく充てんすることが必要です。コーキング処理が不十分だと、水漏れ・カビ・内部腐食の原因となるため、作業後は指や専用ヘラで表面を整えながら厚み・充填具合を入念にチェックしてください。高耐候型シーリング材の選定も劣化防止の重要な要素です。

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