施工前は手前の既存プレハブでドアの色味だけが周囲から浮いて見えて外観にちぐはぐ感が出ていたうえ、出入口まわりに雨を受け止めるものがなく濡れやすくて出入りや荷物の出し入れのたびに小さなストレスが積み重なる状態でしたが、施工後は既存と同色で塗装して建具の存在感を意図的に“背景化”させることで全体の面がきれいにつながり敷地全体が締まって見える印象に整えたうえ、出入口には庇を新設して雨天時でも鍵の開閉や搬入出がしやすくなるよう動線の実用性まで改善し、見た目の統一感と日常の使いやすさを同時に引き上げています。
色は既存のプレハブに合わせた特注色で良い色です!特注色は、単純な色番号合わせではなく、光の当たり方や周囲の色との関係で「同じに見えるか」が決まります。今回は既存側との馴染みを優先して調整し、完成後に“後から塗った感”が出にくい色味に寄せました。 また庇の後付けは、取り付け面の条件が現場ごとに違うため、図面通りにいかないのが難しい所です。固定位置の微調整や納まりの工夫が必要でしたが、雨の日に本当に便利になる形をゴールにして、最後まで収まりを詰めて仕上げています。改めてプレハブの庇は後付けだと大変で何とか付けれました(;^_^A
プレハブ塗装のコツは、いきなり「きれいな色に塗り替える」発想に寄せず、まず“敷地全体でどう見せたいか”を決めてから逆算して工程と色設計を組み立てることです。プレハブは外壁材が薄くて熱や湿気の影響を受けやすく、さらに小さな傷やサビが目立ちやすいので、仕上がりの差は下地づくりでほぼ決まります。具体的には、チョーキングや油膜、埃の残りを高圧洗浄とケレンで徹底的に落として「塗料が食いつく面」を作り、鉄部やビス周り・端部のように劣化が先に出る箇所は特に丁寧に素地調整してから、錆止めや適正な下塗りで密着性を確保するのが基本です。これを甘くすると、見た目は一瞬整っても、数ヶ月〜数年で浮き・剥がれ・点サビが出て“塗った感”だけが残りやすくなります。 次に重要なのが色の考え方で、プレハブは面が単純だからこそ色ムラや境界が強調されやすく、隣に既存建物がある場合は「近い色」ではなく「隣と同じに見える色」を狙うのがコツです。同じ品番でも日当たりや周囲の色、面積効果で見え方が変わるので、既存と統一したいときほど現地での見え方を重視し、必要なら特注調色や試し塗りで“違和感の消え方”を確認してから決定すると失敗が減ります。今回のようにドアなどの建具だけが浮いているケースは、あえて同色で塗って建具の主張を弱め、外壁の面として一体化させると、全体が締まって見えて「後から直した感」も出にくくなります。 仕上げの品質を安定させるには、膜厚管理と乾燥時間の確保も外せません。プレハブは気温差が大きく結露も出やすいので、塗り重ねのタイミングを無視すると艶ムラや密着不良の原因になりますし、ローラーや吹付けの使い分け、入隅・端部・役物周りの先行塗りなど、段取りでムラはかなり抑えられます。さらに、出入口まわりは人が触れる頻度が高く汚れも付きやすいので、同じ塗料でも仕上げ回数を意識したり、鉄部の錆止めを厚めに入れたりして“傷みやすい場所に先回りする”と長持ちします。プレハブ塗装は単体で完結させず「使い勝手の改善」とセットで考えると満足度が跳ね上がります。今回のように庇を付けるだけで雨の日の出入りや荷物の受け渡しが劇的に楽になり、塗装で整えた外観の価値も実感しやすくなります。つまり、見た目を統一する塗装設計と、日常動線のストレスを減らす付帯工事を同時に設計し、下地処理・密着・乾燥・色の見え方まで丁寧に詰めることが、プレハブ塗装を「ただの塗り替え」ではなく「現場の印象と使いやすさを一段上げる改修」にする最大のコツです。