わだち掘れを補修で解決！原因別工法や費用・工期まで丸わかりガイド

駐車場や構内道路のわだち掘れ、「どこまで進んだら補修すべき？」と迷っていませんか。わだちが深くなると水たまりやスリップの危険が増し、放置期間が長いほど切削や全面オーバーレイなど大掛かりな工事になりがちです。まずは現場でできる簡易測定で状況を数値化し、再発しにくい直し方を選ぶのが近道です。 本記事では、定規や糸・水平器での深さ計測、破損の種類別の優先順位、DIYでの常温合材によるパッチングから、交通量が多い道路で有効な切削オーバーレイや路上路盤再生までをステップで解説します。国や自治体の維持修繕マニュアルに沿った判断軸も示し、現場で迷わないチェックリストを用意しました。 「最深部までのカット」「層ごとの転圧回数」「養生時間の目安」など、仕上がりと耐久性を左右する要点も具体化。排水と勾配の見直しで支持力低下を抑え、再発を防ぐコツまで一気に学べます。今日の点検から、事故とムダなコストを減らす一歩を踏み出しましょう。

わだち掘れの補修の全体像を短時間で見抜くコツ

判断の目安と放置によるリスクを数字でチェック

わだち掘れは、アスファルト舗装の走行軌跡が沈んで平たん性が落ちる現象です。現場判断のコツは、深さと範囲を数字で押さえることです。一般に平均深さが15mm前後で補修検討、30mmを超える局所は早期対応が望ましいとされます。放置すると排水不良で水が溜まり、滑りやすさの悪化やひび割れ拡大、さらには陥没やアスファルト剥がれへ進行します。わだち掘れの補修を後回しにすると、部分パッチングで済んだものが切削オーバーレイや路盤再生へと工事規模と費用が増大しがちです。駐車場では車両の停車位置に凹みが集中しやすく、雨天時の水たまりは劣化を加速します。判断に迷う場合は、わだち掘れの深さや長さを定点で記録し、増加傾向が見られた時点で対処するのが安全です。わだち掘れの補修の見極めを数字で習慣化すると、無駄なコストを抑えやすくなります。

• 平均15mmで補修検討、30mm超は早期対応が目安です
• 水たまりの常態化は滑りと劣化を同時に悪化させます
• 進行傾向の記録が最適な補修タイミングの決め手です

わだち掘れの深さと平たん性を現場で手軽に測る

専門測定器がなくても、直定規やまっすぐな板、糸、水平器で簡易測定は可能です。要点は基準線をまっすぐ渡し、最深部のギャップを複数点で読むことです。測り方の基本は、走行方向に直線を取り、3〜5点で深さを測って平均を出すこと。横断方向も確認すると平たん性の乱れが把握できます。誤差の典型は、基準線の反り、砂粒の噛み込み、斜面での水平ズレです。測定前に清掃し、端部の支点が沈まない硬い面を選ぶと精度が上がります。簡便さを重視するなら、1.5〜2mのアルミストレートエッジと深さゲージが扱いやすく、駐車場のアスファルト凹みや舗装わだち掘れの現況把握に十分です。記録は写真と数値をセットにし、同じ位置・同じ方向で定期的に比較します。わだち掘れの補修の工法選定では、平均値と最大値の両方を押さえておくと判断がぶれません。

測定対象	推奨ツール	測り方のポイント	ありがちな誤差
深さ（走行方向）	直定規＋ゲージ	3〜5点平均と最大値を記録	基準線の反り
深さ（横断方向）	糸＋水平器	糸をピンと張り最深部を読む	糸のたるみ
平たん性	アルミストレート	砂を除去し端部支持を安定	砂粒の噛み込み

1. 清掃して端部支持を確保します
2. 基準線をまっすぐ渡し、最深部ギャップを読む
3. 複数点の平均と最大を記録し、写真で位置を残します

わだち掘れの原因と再発ゼロへ近づける考え方

支持力の低下＆沈下が引き起こすわだちの典型パターン

路床や路盤の支持力が落ちると、アスファルト表面が荷重に耐えられず、走行軌跡だけが沈み込むわだちが進行します。典型的なサインは、雨後にわだち部へ水が残る、周辺のひび割れが線状や網目で増える、端部の剥がれや骨材の露出です。発生要因は、施工時の締固め不足、地下水や漏水による含水の増加、沈下を招く不均一な地盤が中心で、駐車場の定位置荷重や大型車の通行で悪化します。わだち掘れの補修を長持ちさせるには、表層だけを直すのではなく、損傷が構造的か表面的かを切り分けることが重要です。目安としては、深さが大きいのに表層に明確な塑性流動跡が少ない場合は路盤側の劣化を疑い、切削・パッチングではなく路盤改良や部分的な路上路盤再生を検討すると効果的です。

• ポイント: 支持力の低下が主因なら表層のみの補修は短命になりやすいです。
• 見極め: 乾燥時でもわだち部が柔らかいなら深部の劣化サインです。
• 対策軸: 表層補修と同時に排水・締固め・材料選定を見直します。

高温・静荷重・発進停止が進めるわだち掘れの流動現象

夏季はアスファルト結合材が軟化し、交通荷重で塑性流動が進みます。とくに信号付近やゲート前の発進停止の繰り返し、物流拠点の静荷重が長時間かかるレーン、バス停の徐行域は注意が必要です。表面が横方向に波打つコルゲーションや、車線内で片側へ寄りが生じるのは、横せん断と繰り返し荷重が原因です。わだち掘れの補修を行う際は、合材の高温安定性と転圧密度を確保し、必要に応じて改質アスファルトを選ぶと再発抑制に効きます。施工後の早期交通開放を急ぐほど初期密度が不足しやすいので、転圧回数や層厚管理を厳格にしましょう。駐車場では車輪通過位置をずらすライン計画や、停止位置に耐流動性の高い材料を使い分けると効果的です。

現象	主因	代表箇所	有効な対処
わだち掘れ	高温時の塑性流動	幹線道路・搬入口	耐流動合材＋適正転圧
コルゲーション	発進停止の反復	信号手前・ゲート前	切削オーバーレイ
寄り	横せん断と片勾配	バス停・カーブ	合材強化＋層厚見直し

排水と勾配の見直しでわだち掘れの根本を絶つ方法

わだち底に水が溜まると、路床・路盤が軟弱化し凍結融解やポンプ作用で損傷が加速します。再発を断つ核心は、排水計画と勾配の見直しです。まず側溝・集水桝の堆積土砂を定例清掃し、表面水が確実に逃げる流路を維持します。わだち掘れの補修の前に、縦横断勾配をチェックし、必要ならレベリングで面の通水性を回復させます。地下からの浸透が疑われる場合は、路盤に透水層や排水シートを併用し、浸透水を早期に排出します。駐車場では植栽帯からの越水や散水の流入を抑える縁石と舗装目地の管理が有効です。これらの整備を行うことで、表層の切削オーバーレイやパッチングの持続性が大きく向上します。日常点検では水溜まりの位置と深さを記録し、降雨後の通行安全性も合わせて確認しましょう。

1. 側溝・桝の清掃を定例化し排水経路を確保します。
2. 縦横断勾配を再測し、必要に応じてレベリングを行います。
3. 浸透が強い箇所は透水層や排水シートで路盤の水抜きを改善します。
4. 植栽・散水からの流入を抑える縁石や目地の補修を行います。

補修前の点検で失敗を防ぐための安心チェックリスト

破損の種類と優先順位を一目で把握

アスファルト舗装の点検は、破損の型を見極めるほど精度が上がります。まずは走行方向に沿う細い亀裂の線状ひび割れ、微細な網目模様のヘアクラック、下層の継目が表層へ現れるリフレクションクラックを区別します。次に、轍の深さや陥没の有無を確認し、通行に影響するものから優先度を上げます。わだち掘れは排水性低下とハンドル取られの要因になりやすく、駐車場でも水たまりの常態化でアスファルトひび割れが拡大します。優先順位の目安は、走行安全に関わる深いわだちや穴、広がる剥がれ、進行性の高いひびの順です。わだち掘れの補修は原因が支持力低下か表層摩耗かで方法が変わるため、症状の組み合わせで判断することが失敗回避の近道です。

わだち掘れ量とひび割れ率から最適な対処方法を選ぶ

わだち掘れ量（深さ）とひび割れ率を基準に、過不足ない施工を選ぶと再発を抑えられます。一般路・駐車場ともに、平均15mm程度から補修検討が現実的で、30〜40mmは安全性と排水面で要注意域です。表層だけの摩耗は切削オーバーレイで整正し、支持力低下が疑われる場合は部分打換えや路盤改良を合わせます。判断の目安を以下に整理します。

症状の組み合わせ	おすすめ対処	施工ポイント
わだち15〜25mm、ひび割れ率低	切削＋薄層オーバーレイ	継目の止水と端部転圧を強化
わだち25〜40mm、点在ひび割れ	局所切削パッチング	施工範囲を健全部まで拡張
わだち深い＋剥がれ・陥没併発	部分打換え（路盤補修）	下層支持力を回復してから舗装

症状を組み合わせて選ぶことで、過剰施工を避けつつ耐久性を確保できます。

道具と安全準備の忘れ物ゼロで安心スタート

現場での手戻りは品質低下とコスト増につながります。着手前に安全・清掃・施工・仕上げの観点で道具を整えましょう。わだち掘れの補修でも必須は変わりません。以下を用意するとスムーズです。

• 安全と保護: ヘルメット、手袋、保護メガネ、反射ベスト、コーンやバー等の保安用品
• 切削と整形: コンクリートカッター、チッパー、スクレーパー、スコップ、レンガ鏝
• 清掃と乾燥: ブロワ、ワイヤーブラシ、ほうき、雑巾、バーナー（乾燥用）
• 充填と転圧: アスファルト補修材、プライマー、ハンドタンパーまたはプレートコンパクター、当て板
• 計測とチェック: ストレートエッジ、深さゲージ、メジャー、チョーク

番号順に準備し、最後に「計測→切削→清掃→充填→転圧→養生」の流れを現場で再確認すると作業ミスが激減します。

DIYで挑戦！小規模なわだち掘れの補修の手順をやさしく解説

切り取り＆清掃＆プライマーで密着力アップ

わだち掘れの補修は下地づくりがすべてです。まずは損傷範囲を見極め、最深部まで垂直に切り取って弱い層を確実に除去します。エッジを直角に揃えると新旧アスファルトの噛み合いが良くなり、段差や再破損を防ぎやすくなります。続いて粉じん・土砂・水分を徹底除去してください。ブロワーで粉じんを飛ばし、濡れている場合は乾燥待ちが安全です。油染みがあると密着不良の原因になるため、クリーナーで除去します。最後に乳剤系または樹脂系のプライマーを薄く均一に塗布し、規定時間で半乾きにしてから施工へ。これで接着面の表面エネルギーが上がり、初期密着と耐久性が大幅に向上します。

• 直角カットで端部を強化
• 粉じん・水分ゼロで接着不良を回避
• プライマーは薄塗りでムラなく

短時間でもここを丁寧に行うと、後工程の仕上がりが安定します。

埋め戻しの層厚と転圧テクニックで耐久性アップ

常温合材や加熱合材を投入するときは、一度に厚く入れず30〜40mmの層で分けて敷均します。各層ごとにタンパーやプレートでしっかり転圧し、端部は中央の1.5倍程度の回数で増し転圧すると縁割れを予防できます。表層は周囲より2〜3mm高めに仕上げ、使用荷重で落ち着かせるのがコツです。小規模な駐車場なら、合板を敷いてから車でゆっくり往復する自然転圧も有効です。ただし局所的にタイヤを切らない、停止時にスリップさせないなどの配慮を忘れずに。合材が柔らかい間に金ゴテで表面を整え、水たまりができない微勾配を確保すると、排水性が上がってわだち掘れの再発に強くなります。

• 30〜40mmで分割充填
• 端部は増し転圧で縁割れ防止
• 周囲より少し高めに仕上げて沈下吸収

過転圧で骨材を壊すのは逆効果なので、締まり具合を確認しながら進めます。

仕上げと養生でスピード開放を実現するコツ

仕上げは、離型剤をうっすら塗ったコテやローラーで骨材を沈めすぎない程度に平滑化します。常温合材は温度と交通条件で硬化速度が変わるため、目安として気温20℃前後で1〜3時間、10℃前後で3〜6時間は車両通行を控えると安心です。歩行可否は表面がべたつかず、靴裏に付着しないことを基準に判断します。早期開放が必要な現場は速硬型合材を選ぶと実用強度の立ち上がりが早く、短時間で駐車再開が可能です。最後に施工範囲の外周を掃除し、骨材の散乱や段差表示を確認します。夜間は視認性確保のため、カラーコーンやテープで通行誘導を行うと安全です。気温が低い日はヒーターやバーナーで軽く温めると密着が安定します。

• 温度に合わせた養生時間の設定
• 速硬型で早期開放を実現
• 視認性と段差確認で安全確保

無理な早開放は表面剥離につながるため、触診と目視で最終確認を行います。

DIYに最適な補修材の選び方と買う時の注意点

わだち掘れの補修の補修材は、用途と規模で選ぶと失敗しにくいです。特に常温合材は扱いやすく、駐車場の小規模補修に向いています。樹脂系は低温時でも粘着が安定し、端部の密着補強に便利です。加熱タイプは密着と耐久に優れますが、バーナーや温度管理が必要なので、中〜上級者向けです。購入時は必要量の算定（20kgでおよそ厚さ1cm・約1㎡の目安）、プライマーの相性、転圧道具の有無をチェックしましょう。

種類	特長	適した損傷	施工の難易度
常温合材	手軽で天候適応幅が広い、DIY向き	凹み・小さなわだち・穴埋め	低
樹脂系（シール/接着）	端部密着や微細ひび補強に有効	線状ひび割れや縁部補強	低〜中
加熱タイプ	高い密着と耐久、重交通にも強い	表層のわだち掘れ・広範囲	中〜高

• 必要量を多めに確保して薄施工を避ける
• プライマーと合材の組み合わせを確認
• 転圧用タンパーやプレートの手配を先に決める

在庫切れ対策として、同一ロットをまとめて購入すると色味や硬化特性が揃い、仕上がりが安定します。

交通量が多い道ならプロに任せる！わだち掘れの補修の工法選び

切削オーバーレイで見違えるような平たん性回復

交通量が多い道路や大型車が通る施設のわだち掘れには、切削オーバーレイが効果的です。ポイントは既存舗装の「こぶ取り（ミーリング）」で、わだち底だけを浅く削るのではなく、周辺の段差を含めて必要深さを均一に切削することです。続いてレベリング層で微細な凹凸を整え、全幅または車線幅でオーバーレイを連続施工します。これにより排水性と視認性が回復し、わだち掘れの補修後の走行安定性が長続きします。局所補修の継ぎ目は再陥没の起点になりやすいため、目地位置や継ぎ目のシールも丁寧に実施します。夜間の短時間施工でも平たん性の管理を怠らず、完成時にストレートエッジで高低差を確認すると品質が安定します。

• こぶ取りの深さ・レベリング・全幅オーバーレイのコツを解説

転圧＆締固めの品質アップで長持ち補修へ

切削オーバーレイの耐久性は、締固め度と温度管理で大きく変わります。合材は所定温度帯で敷均し、層厚は設計値を確保しながら端部の薄層化を避けるのがコツです。ローラーは静的から振動へと段階的に用い、走行回数を規定以上とすることで空隙の偏りを抑えます。継ぎ目（ジョイント）は初期破損の主因になりやすいため、十分な加熱とローラー当てで密着を高めます。雨水の滞留を防ぐには横断・縦断勾配の再確認が不可欠で、わだち掘れの再発リスクを下げます。温度が下がると転圧効率が急落するため、搬入動線を短くし、締固めは合材が生きている時間内に終える段取りが重要です。品質記録を残すと次回の施工精度が上がります。

• 層厚・温度管理・ローラーの走行回数をチェック

路上路盤再生で支持力を根本から強くする

わだち掘れが短期間で再発する場合や、ひび割れ・陥没が広がる場合は表層だけの補修では不十分です。路上路盤再生は既設アスファルトと路盤を切削混合し、必要に応じてセメント系や発泡材で安定処理を行い、支持力を底上げする工法です。交通量が多い道路では夜間施工で区間を分割し、通行止め時間を短縮します。適用条件は、コア採取や弾性係数の調査で構造的な支持不足が確認されたケースが目安です。再生後はレベリングとオーバーレイで平たん性を確保し、排水と目地処理で長寿命化を図ります。下表のように、損傷の深さと広がり、交通条件で工法を選ぶと無駄なコストを防げます。

判定軸	状況	推奨工法
損傷範囲	局所・浅い	切削オーバーレイ
損傷範囲	広範・深い	路上路盤再生＋オーバーレイ
交通条件	交通量大	夜間分割施工
排水性	水たまりあり	勾配補正＋端部シール

• 路盤再生・安定処理の適用条件＆夜間施工の運用ポイント

わだち掘れの補修の費用と工期を分かりやすく徹底比較

小規模DIYと業者依頼、その費用の違いをはっきり解説

わだち掘れの補修は、DIYだと材料費が中心、業者依頼だと機材と人件費が加わり総額が変わります。DIYの主費用はアスファルト補修材と転圧道具で、常温タイプなら1袋あたりの単価が手頃です。業者は現場調査や運搬、切削機やローラーなどの施工機械が必要で、さらに交通誘導員の配置が費用を押し上げます。見積もりでは、端部処理や産廃処分費などの見落としがちな項目が上振れ要因です。駐車場の局所的な凹みならDIYでコスト圧縮が可能ですが、支持力低下が原因のわだち掘れの補修は再発リスクが高いため、切削オーバーレイや路上路盤再生に対応できる業者のほうが結果的に経済的な場合があります。迷うときは、面積と損傷の深さ、通行量を軸に判断すると費用対効果を見極めやすいです。

• DIYの主費用: 補修材・ハンドタンパー・軽微な工具
• 業者の主費用: 人件費・機械費・運搬処分費・交通誘導

下の表で費用感の違いを整理します。

項目	DIY目安	業者依頼の目安	注意点
1㎡の材料費	2,000〜3,000円	合材は工事費に内包	袋数の過小見積りに注意
施工費（人件費）	0円	1人工2〜4万円	夜間は割増が発生しやすい
機材・レンタル	数千円	機械一式で数万円以上	切削機・ローラーの稼働時間で変動
交通誘導	不要	1人あたり日額1.5〜2万円	通行量が多いと人数増
総額の目安	小面積で数千〜1万円台	1㎡あたり5,000〜15,000円	端部処理・廃材処分を含め確認

簡易補修は安価でも、構造的損傷があると短期で破損が再発します。費用だけでなく、耐久性も比較しましょう。

工法ごとの工期や通行止め時間の違いをサクッと解説

同じわだち掘れの補修でも、工法で工期と交通影響が大きく変わります。局所的なへこみはパッチングで半日〜1日、交通片側通行で回避しやすいのが利点です。走行軌跡全体のわだちは切削オーバーレイが主流で、切削と舗設で1〜2日を見込みます。通行止めは舗設直後の養生時間を短く取れる場合が多く、夜間施工で日中の影響を抑える選択も一般的です。路床まで支持力が低下しているケースは路上路盤再生が必要になり、数日規模かつ全面通行止めや大きな規制が不可避です。工期短縮を優先すると初期費用は抑えにくい一方、交通安全と仕上がりの平坦性は高くなりやすいという傾向があります。現場条件（交通量・面積・気温）を踏まえ、保安計画とセットで選定するとスムーズです。

1. パッチング: 半日〜1日、片側通行で対応しやすい
2. 切削オーバーレイ: 1〜2日、養生短めで再開が早い
3. 路上路盤再生: 数日、全面規制や大規模誘導が必要
4. 判断ポイント: 損傷深さ・面積・通行量・夜間可否を総合評価

測定方法と判定ミス防止のためのお役立ちテクニック

横断断面を正しく取る、失敗しないコツ

わだち掘れの状態を正しく把握するには、横断方向に直線定規を当てて深さを測るのが基本です。まず路面を清掃し、砂利や泥を除去してから測定します。ポイントは直角をキープすることと、定点計測を継続して比較できるデータを作ることです。基準線を白チョークでマーキングし、車線中央部とその左右を同じ間隔で選びます。定規（ストレートエッジ）と深さゲージを組み合わせ、複数点の測定でばらつきを抑えます。駐車場のアスファルト凹みや舗装の線状ひび割れが混在している場合は、ひび割れ部を避けて健全部に定規を置くと、構造的な沈下と表面の剥がれを見分けやすいです。わだち掘れの補修の妥当性を判断するため、雨天後や高温日など路面条件が変わる場面でも同じ位置・同じ角度で再測定すると、進行度の比較がしやすくなります。DIYでも再現性を優先すると、不要な補修や手戻りを防げます。

連続測定＆代表値の決め方で数値のバラつきを減らすポイント

わだち掘れの判定ミスを減らすには、連続測定で局所の凹みを平均化し、代表値を丁寧に決めることが重要です。3〜5メートルの区間を設定し、0.5メートルごとに横断測定します。各断面で左右の最大沈下を記録し、最大値と平均値の両方を残しましょう。判断の流れは次の通りです。まず全点の深さを一覧化、次に極端な外れ値の原因（測定角度や異物）を確認、理由が明確なら再測定で置き換えます。道路や駐車場では、車両の走行軌跡で凹みが偏るため、中央付近の最大値が安全側の指標として有効です。一方で補修の要否判断や範囲決定は平均値を併用すると過大評価を避けられます。アスファルト剥がれやアスファルトひび割れが同時に進行していると深さが過大に出やすいので、表面破片は事前に除去してから計測してください。わだち掘れの補修の規模見積もりでは、最大値で緊急度、平均値で施工範囲と厚さの目安を整理すると実務的です。

記録と再点検で再発サインを早期にキャッチ

進行型の損傷を見逃さないコツは、記録の標準化と再点検の周期化です。撮影は同一デバイスで焦点距離と角度を固定し、基準物（定規やコーン）を毎回写し込むと比較が容易です。季節要因も重要で、夏の高温時や雨天直後はアスファルトが軟化・含水して沈下が強調されるため、乾燥日と湿潤日の両方で測ると実像に近づきます。以下の記録テンプレートを使うと、わだち掘れの補修の要否判断がスムーズになります。

項目	記録内容
測定位置	距離表示と基準点（例：縁石から2m）
環境	天候・路面温度・時刻
測定値	最大値、平均値、測定点数
付随損傷	ひび割れ、剥がれ、排水不良の有無

測定後は1〜3カ月間隔で再点検し、5mm以上の増加が続く場合は路盤の支持力低下を疑ってプロ施工を検討します。道路補修を自分で行う場合でも、データの一貫性を保てば、必要な工法選定（パッチング、オーバーレイ）と資材手配が合理的になります。

わだち掘れの補修で再発防止！維持管理と使い方のポイント

ひび割れ封止や表面処理で浸水ダメージをストップ

わだち掘れの補修の効果を長持ちさせる鍵は、雨水を路盤へ入れないことです。微細なひび割れにはクラックシールを早期に充填し、表面の摩耗で失われたテクスチャは薄層の表面処理で排水性と滑り抵抗を回復します。ポイントはタイミングで、乾燥状態での施工と、低温期の早朝や高温期の直射日光を避ける運用が安定品質に直結します。既存のわだち上に水が溜まるとポンピングで支持力が低下し再発します。そこで清掃と目詰まり除去をセットで行い、線状ひび割れとは別に横断方向のうねりも観察すると、補修の優先順位が明確になります。わだち掘れの測定はストレートエッジで定点管理し、アスファルトひび割れ補修材やシール材を部位別に使い分けると、浸水リスクを実務的に抑えられます。

• クラックシールの狙いは水密性確保と骨材の遊離抑制です
• 表面処理はすべり抵抗と微細凹凸の回復で水はけを改善します
• 施工前に清掃と乾燥の徹底、端部の密着確保が重要です

補修後の初期期間は重交通を避け、硬化と接着の安定化を優先すると再発率を下げられます。

重量車と気温に負けない運用アイデア集

運用の工夫だけでもわだち掘れの進行は抑えられます。重量車が同一軌跡を踏み続けると塑性流動が蓄積するため、発進停止位置をずらす駐車枠設計や、左折レーンの停止線移設などで荷重を分散します。夏季は高温軟化が起こりやすいので、ピーク時間帯の動線最適化や回送順の調整で同一レーンへの連続荷重を避けると効果的です。さらに、わだち掘れの補修を行った区画の初期通行制限を設け、硬化完了後に段階的に開放します。定期的にわだち掘れ測定方法で深さと範囲を可視化し、基準値に近づいた段階で軽微なパッチングやアスファルト穴埋め補修を先手で実施するとコストを抑えられます。駐車場ではアスファルト補修DIYで小さな凹みを速やかに均し、重機エリアは路盤補強など構造的対策と組み合わせるのが現実的です。

運用アイデア	期待効果	実施ポイント
停止線・発進位置の微調整	荷重分散で局所沈下抑制	既設ラインの再配置
レーンの曜日替え運用	同一軌跡の連続荷重回避	案内表示の徹底
夏季の通行規制緩和	高温時の塑性流動低減	時間帯限定で実施
早期小規模補修の継続	大規模化の予防	記録と閾値管理

小改良の積み重ねが舗装わだち掘れの進行を抑え、わだち掘れの補修の持続性を高めます。

よくある質問

わだち掘れの基準は？気になる管理水準も簡単チェック

わだち掘れの判断は深さと範囲で見ます。一般的には直線定規（ストレートエッジ）をわだちの横断方向に当て、最深部との高低差を測定します。目安としては平均15mm超で補修を検討、30〜40mmに達する前に対策すると安全性とコストの両面で有利です。雨天に水が溜まる、走行時のふらつきやハンドル取られが出る場合も要注意です。日常点検では、ひび割れや骨材の露出、アスファルトの剥がれが同時に進んでいないかを確認してください。駐車場は大型車の出入りや夏季高温で進行が早い傾向があるため定点撮影と月次の簡易計測が有効です。わだち掘れの補修は早期ほど小規模で済みやすく、排水性や通行安全の維持にも直結します。

• チェックのコツ
  • 横断方向で複数点を測る（平均化で精度向上）
  • 雨の後に観察（水たまりはリスクサイン）
  • 周辺の沈下や線状ひび割れも同時確認

補足として、夜間交通量が多い道路は進行が早い傾向があるため短い周期での点検が安心です。

陥没とわだちの違い・見分けと補修方法は？

陥没とわだちは原因も対処も異なります。見分けをつけて適切な工法を選びましょう。陥没は局所的に落ち込む点状・斑状の破損で、支持力低下や空洞化、雨水による洗掘が背景にあります。一方、わだちは走行軌跡に沿う帯状の凹みで、繰り返し荷重や高温時の変形、舗装構造の弱さが関与します。補修は、陥没が切り取り・基層までの入れ替えと十分な転圧、わだちは切削後のレベリングやオーバーレイ、必要に応じたパッチングが基本です。DIYで小規模なら常温合材での充填と周囲から中央への強い転圧が有効です。進行が早い、ひび割れや剥がれが広い、駐車場陥没補修費用が膨らみそうな場合は早めにプロの診断を受けると再発抑制につながります。

判別ポイント	陥没	わだち掘れ
形状	点状・局所的	帯状・走行軌跡沿い
主因	路床の空洞・支持力低下	繰返し荷重・高温流動
DIY可否	小規模のみ可	小規模なら可
主な工法	切り取り・入替・転圧	切削・レベリング・オーバーレイ

表は一次判断の目安です。亀甲ひび割れや線状ひび割れを伴う場合は構造的な弱さを疑いましょう。

道路補修を自分でやるときの大切な注意ポイント

DIYでのわだち掘れの補修やアスファルト凹みの穴埋めは、手順と安全管理が肝心です。まず作業区画の安全確保を行い、カラーコーンや案内表示で通行を制御します。公道や私道でも第三者の通行がある場合は許可や管理者への連絡が必要になることがあります。作業は乾燥した天候で行い、泥や砂利を完全に除去してから補修材を投入します。端部の密着と転圧の回数を増やすことで剥がれを防げます。加熱材やバーナーを使う場合は耐熱手袋と消火準備を徹底し、周囲の可燃物を退避させてください。仕上げは板を敷いて車でゆっくり乗り入れると均一に締まります。迷ったら小面積で試し施工し、問題なければ本施工へ拡張すると失敗を抑えられます。

1. 区画確保と案内設置を実施する
2. 乾燥状態で清掃し下地を露出させる
3. 補修材をやや多めに盛って均し、周囲から中央へ強く転圧する
4. 端部を重点転圧し、表面を平滑に整える
5. 硬化を確認し、必要なら追い充填して再転圧する

硬化後の早期通行はわだち再発の原因になります。規定硬化時間を守ると仕上がりが安定します。